更新日:2025年9月11日

【廃線鉄とは?】廃線が好きな鉄道ファンの楽しみ方とおすすめスポット10選!

鉄道ファン 廃線鉄

鉄道ファンにはさまざまな種類があり、鉄道車両の撮影を好む「撮り鉄」や、発車メロディーや列車の走行音を録音する「音鉄」など楽しみ方は人それぞれ。今回は鉄道ファンの中でも、廃線跡を訪れて楽しむ「廃線鉄」に注目します。

廃線鉄とは、すでに役目を終えた鉄道路線や廃線跡を訪ね歩き、その歴史や遺構を楽しむ鉄道ファンのスタイルを指します。

廃線ウォークに参加したり、トロッコやレールバイクで廃線跡を走ったり、駅舎やトンネルなどの遺構を巡ったりと、廃線鉄には他の鉄道趣味にはない独特の魅力があります。

この記事では、廃線鉄の魅力と全国のおすすめ廃線跡スポットをご紹介します。

廃線鉄の魅力とは?

鉄道ファン 廃線鉄

「廃線鉄」は、単に過去の鉄道路線を懐かしむだけではありません。かつての鉄道が地域とどのように関わってきたかを知り、歴史や風景を体感しながら楽しめるのが廃線鉄の大きな魅力です。

とはいえ、廃線鉄の楽しみ方は多様で、単に廃線跡を眺めるだけでなく、全国の廃線跡を歩いたり、トンネルや橋梁などの遺構を探したり、レールバイクやトロッコで走ったりするのも廃線鉄の醍醐味です。近年は各地で廃線ウォークのイベントや廃線活用施設が整備され、廃線鉄ファンに人気を集めています。

  • 廃線跡を歩きながら、当時の列車の姿を想像する楽しみ
  • トンネルや橋梁などの鉄道遺構を間近で見るワクワク感
  • 廃線ウォークやレールバイクなど、体験型のアクティビティ

こうした魅力から、廃線鉄は幅広い鉄道ファンや観光客に人気を集めています。

全国のおすすめ廃線跡スポット10選

碓氷峠廃線ウォーク(信越本線廃線跡)

鉄道ファン 廃線

▲碓氷峠廃線ウォークイメージ

碓氷峠廃線ウォークは、1997年の北陸新幹線開業により廃止された信越本線・横川駅〜軽井沢駅間の旧線路跡を、一般社団法人安中市観光機構のガイド付きで歩いて楽しめるイベントです。

かつて関東と上信越地方を結び、急勾配で知られた碓氷峠を列車が駆け抜けていた姿を思い浮かべながら、数時間かけてゆっくりと廃線跡を歩くことができます。鉄道の歴史や技術に興味のある“廃線鉄”にとっては、まさに聖地とも言えるスポットです。

イベントに参加しなくても、遊歩道「アプトの道」を自由に散策することが可能です。「アプトの道」では、横川駅付近から峠の湯付近までの約6kmにわたる旧信越本線の廃線跡を片道で楽しむことができ、廃線鉄の心をくすぐる風景が広がっています。

  • 名称: 碓氷峠廃線ウォーク
  • 住所: 群馬県安中市松井田町横川441
  • 廃線路線名称: 信越本線
  • 料金: 1名 8,200円

アクセス

  • JR横川駅から徒歩約5分

トロッコ王国美深(国鉄美幸線廃線跡)

トロッコ王国美深は、北海道中川郡美深町に位置するテーマパークで、昭和60年に廃止された「日本一の赤字ローカル線」として知られる国鉄美幸線の廃線跡を活用しています。ここでは、エンジン付きのトロッコを自ら運転し、往復10kmを約40分かけて走行することができます。

トロッコが走るルートには、旧国鉄時代の橋梁などがそのまま残されており、当時の美幸線の雰囲気をリアルに体感できます。鉄道の歴史や廃線跡に魅力を感じる“廃線鉄”にとっては、まさに夢のような体験ができるスポットです。

  • 名称: トロッコ王国美深
  • 住所: 北海道中川郡美深町字仁宇布215番地
  • 廃線路線名称: 国鉄美幸線
  • 受付時間: 8:30~16:00
  • 休業日: 冬季休業あり
  • 料金: 大人1,600円、お一人様の場合 1,800円、中高生 1,200円、小学生 700円

アクセス

  • JR美深駅から車で約30分。デマンドバスの利用ができます。※要予約

国鉄手宮線跡地(国鉄 手宮線廃線跡)

旧国鉄手宮線跡地は、北海道小樽市にある廃線跡の散策路で、小樽市中心部から小樽市総合博物館までの約1.6kmを歩いて楽しむことができます。小樽市総合博物館は、北海道鉄道の発祥地として知られており、鉄道ファンにとっても見逃せないスポットです

手宮線は、北海道初の鉄道「官営幌内鉄道」の一部として、幌内(三笠市)の炭鉱から小樽港へ石炭を運ぶために敷設されました。1962年に旅客営業が終了し、1985年に完全廃止となりました。

現在では、当時の線路跡を歩きながら鉄道の歴史に触れることができ、“廃線鉄”にとっては貴重な体験ができる場所です。旧国鉄時代の雰囲気を感じながら、のんびりと廃線跡を散策する時間は、鉄道のロマンを味わう絶好の機会です。

  • 名称: 国鉄手宮線跡地(国鉄 手宮線廃線跡)
  • 住所: 北海道小樽市色内1丁目
  • 廃線路線名称: 国鉄手宮線
  • 料金: 無料

アクセス

  • JR小樽駅から徒歩約15分

南部縦貫鉄道(南部縦貫鉄道線廃線跡)

南部縦貫鉄道のレールバス(七戸駅跡)は、2002年に廃止されたローカル鉄道・南部縦貫鉄道の車両が一般公開されているスポットです。旧七戸駅跡に保存されている貴重なレールバスは、鉄道ファンの間でも高い人気を誇り、特に“廃線鉄”にとっては見逃せない場所となっています。

保存車両は、当時の姿をそのまま残しており、南部縦貫鉄道の歴史を肌で感じることができます。不定期で開催されるイベントでは、レールバスの車両内を見学したり、写真撮影を楽しんだりすることも可能です。廃線跡に息づく鉄道の記憶をたどる、廃線鉄にとって魅力あふれる体験ができるスポットです。

  • 名称: 南部縦貫鉄道のレールバス(七戸駅跡)
  • 住所: 青森県上北郡七戸町字笊田48-1
  • 廃線路線名称: 南部縦貫鉄道
  • 見学時間: 10:00~16:00
  • 休業日: 平日・祝日
    ※平日・祝日の見学は事前予約が必要です。平日・祝日に見学希望の方は日時・人数等をご確認の上、見学希望日の7日前までに「(一社)しちのへ観光協会」へお問い合わせください。
  • 料金: 無料

アクセス

  • JR七戸十和田駅・道の駅しちのへから車で約6分

小坂鉄道レールパーク(小坂製錬小坂線廃線跡)

小坂鉄道レールパークは、廃止された小坂鉄道の線路や車両を活用した複合施設で、鉄道の歴史と懐かしい雰囲気を体感できるスポットです。レールバイクの体験乗車や、全国でも貴重な車両・機関車の見学ができるほか、かつての鉄道の息吹を感じながら楽しめるレールパークとなっています。

施設内には、かつて上野駅〜青森間を走っていた寝台特急「ブルートレインあけぼの」が簡易宿泊施設として営業しており、A寝台個室・B寝台個室に宿泊することも可能です。廃線跡を活用したこの施設は、鉄道の魅力を存分に味わえる場所であり、“廃線鉄”にとっては見逃せない聖地のひとつです。

  • 名称: 小坂鉄道レールパーク
  • 住所: 秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古川20-9
  • 廃線路線名称: 小坂鉄道
  • 営業期間: 4月1日~11月23日(毎週火・水曜日休業)
  • 営業時間: 9:00~17:00(最終入場16:30)
  • 料金: 大人(高校生以上) 600円、小人(小・中学生) 300円、幼児 無料(保護者同伴に限る)

アクセス

  • JR大館駅からバス「小坂小学校前」下車後徒歩2分

大館・小坂鉄道レールバイク(小坂鉄道小坂製錬小坂線廃線跡)

大館・小坂鉄道レールバイクは、廃線鉄ファンに人気のスポットで、廃線となった小坂鉄道の線路を活用した体験型施設です。

ここでは、動力車が牽引する4人掛け対面座席付きのトロッコや、自転車感覚で楽しめるレールバイクに乗車でき、廃線跡の雰囲気を満喫できるのが魅力。廃線鉄の楽しみ方を体験できる観光施設として、鉄道ファンや家族連れにもおすすめです。

  • 名称: 大館・小坂鉄道レールバイク
  • 住所: 秋田県大館市雪沢大滝30-2
  • 廃線路線名称: 小坂鉄道
  • 営業期間: 4月中旬から11月頃まで
  • 休業日: 冬季休業あり。最新の情報は、公式ホームページをご確認下さい。
  • 料金: レールバイク:2人乗り1台3,500円、4人乗り1台4,500円、トロッコ中学生以上1人1,500円

アクセス

  • JR大館駅からバスで20分

日中線記念館(国鉄日中線廃線跡)

鉄道ファン 廃線鉄 仙台市電保存館

▲日中線記念館に保存されている車両イメージ

日中線記念館は、廃線鉄ファンに人気の旧国鉄日中線の熱塩駅を活用した施設です。駅舎をそのまま活かした館内には、旧駅事務室に当時を物語る貴重な資料が展示され、鉄道の歴史を間近に感じられる空間となっています。

さらに屋外には、迫力あるラッセル車や客車の保存展示、今も残る踏切警報器など、廃線跡ならではの風景が広がります。廃線鉄の魅力を存分に味わえる記念館として、鉄道ファンの訪問先におすすめです。

  • 名称: 日中線記念館(国鉄日中線廃線跡)
  • 住所: 福島県喜多方市熱塩加納町熱塩前田602-2
  • 廃線路線名称: 旧国鉄 日中線
  • 休業日: 都合により旧駅事務室内の資料等を見学できない場合があります。
  • 料金: 無料

アクセス

  • JR喜多方駅からタクシーで約20分

吾妻峡レールバイク アガッタン(吾妻線廃線跡)

吾妻峡レールバイク アガッタンは、八ッ場ダム建設に伴う付け替えで廃線となった吾妻線の旧線路を活用した廃線鉄アクティビティです。自転車型トロッコに乗って、雄大な吾妻峡や八ッ場ダム周辺の景観を気軽に楽しめます。

ルート上では、日本一短い鉄道トンネルとして知られる「樽沢トンネル」や、最新式の八ッ場ダムを間近に望むことができ、鉄道ファンはもちろん観光客にも人気。走行距離は片道約2.4kmと程よく、自然と廃線鉄の魅力を同時に満喫できます。

  • 名称: 吾妻峡レールバイク アガッタン(吾妻線廃線跡)
  • 住所: 群馬県吾妻郡東吾妻町松谷868-1
  • 廃線路線名称: 吾妻線
  • 営業期間: 3月下旬~12月上旬
  • 休業日: 冬季休業あり。最新の開催情報は、公式ホームページをご確認下さい
  • 料金:
    • 3人乗り用トロッコ (1台) 片道 3,000円・往復 5,000円
    • 4人乗り用トロッコ (1台) 片道 3,500円・往復 6,000円

アクセス

  • JR吾妻線 岩島駅より西へ約2.5㎞

幻の路線長倉線(国鉄長倉線未成線跡)

長倉線未成線は、真岡線茂木駅から茨城方面へ延伸予定だったものの、太平洋戦争の影響で工事が中断され列車が一度も走らなかった未成線です。1937年に茂木~長倉間約12kmの工事が始まり、1940年までに約6kmが完成しましたが、その後は放置され廃線鉄スポットとなりました。

現在も路床やアーチ橋、トンネルなどが残されており、一般道から見学可能。さらに有料ツアーに参加すれば、普段は立ち入れないトンネル内部を歩く特別体験も楽しめます。鉄道の歴史と廃線鉄ロマンを味わえる貴重な未成線です。

  • 名称: 長倉線ツアー
  • 住所: 栃木県芳賀郡茂木町河井1225
  • 廃線路線名称: 長倉線(未成線)
  • 休業日: ツアーイベント(有料)の開催日は公式ホームページをご確認下さい。
    ※路床やアーチ橋等は公道から見学可能です。
  • 料金: 1名 5,500円~※料金の詳細は公式ホームページをご確認下さい。

アクセス

  • 北関東自動車道友部「友部IC」より約35分

つくば霞ヶ浦りんりんロード(筑波鉄道線廃線跡)

つくば霞ヶ浦りんりんロードは、1987年に廃線となった筑波鉄道の線路跡を活用したサイクリングロードです。筑波鉄道は1918年に開業し、土浦駅から岩瀬駅まで18駅を結んでいました。1960年代には常磐線の上野駅や日立駅から行楽列車が筑波駅まで直通するほど多くの利用者で賑わいました。

現在のりんりんロードには、当時の勾配標や距離標がそのまま残されており、鉄道の歴史を感じながらサイクリングを楽しめるのが魅力です。さらに、土浦駅直結の「りんりんスクエア土浦」では、レンタサイクルやシャワー設備が整い、廃線鉄の名残とサイクリング観光を気軽に満喫できます。

  • 名称: つくば霞ヶ浦りんりんロード
  • 住所: 茨城県土浦市有明町1-30(JR土浦駅直結:りんりんスクエア土浦)
  • 廃線路線名称: 筑波鉄道
  • 休業日: 店により休業日が異なります。詳細はレンタサイクルサイトをご確認下さい
  • 料金: 店舗や自転車によりレンタサイクル料金が異なります。詳細はレンタサイクルサイトをご確認下さい。

アクセス

  • JR土浦駅すぐ

全国の廃線跡を楽しむ「廃線鉄」の魅力

全国には、鉄道ファンなら見逃せない廃線跡スポットが数多く存在します。歩いて廃線跡を巡ったり、トロッコやレールバイクで廃線路を体感したり、歴史ある鉄道遺構を間近で楽しむことができるのが廃線鉄の醍醐味です。

今回紹介した北海道から関東・東北のスポットは、いずれも廃線鉄ファン必見の場所ばかり。これから廃線鉄デビューする方も、全国の廃線跡を巡る旅で、鉄道の歴史や風景を楽しんでみてください。

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